お知らせ
「アスベスト被害の全面解決へ」
【埼玉土建本部】
アスベスト訴訟
東京高裁に控訴
不当な地裁判決克服を
【機関紙より抜粋】
首都圏建設アスベスト訴訟で、五月二十五日に横浜地裁が下した不当判決に対し、六月八日、建設アスベスト訴訟神奈川原告団、弁護団は東京高裁に控訴しました。同日、原告団・弁護団は左記のような声明を発表しました。
■声明(抜粋) 1 二〇一二年五月二十五日,横浜地方裁判所(江口とし子裁判長)は,建設作業従事者とその遺族が国およびアスベスト建材製造企業に対し損害賠償を求めた裁判(建設アスベスト訴訟)で国、企業の責任を免罪する全面棄却判決を下したが、本日、同事件原告らは、その全員で東京高等裁判所に控訴を行った。
2 本判決は,アスベストによる被害の実態からあえて目を逸らし、アスベストによる産業的価値等を強調し、これを原告らの生命健康よりも優先させている。不治の病と闘いながら「命あるうちの解決」を願う原告らの想いを踏みにじる不当極まりない判決であり断じて許すことはできない。
3 国の責任については、建設現場の実態に目をつぶり,粉じん飛散職場に比しアスベスト曝露は少なく,管理可能であったとして国を免責した。本判決は、人の命を軽視する極めて危険かつ不当な判決である。
4 企業の責任については、建設労働の実態を無視する一方で、共同不法行為責任を認めず,その責任を免罪した。
5 さらに、本判決は、企業責任における加害者不明の共同不法行為の成否において、原告側の主張を読み落とし、その主張がないものとして企業を免責しているのをはじめとして、矛盾に満ちたずさん極まりない判断が散見され,判決としての水準も著しく低く,不当違法な最低の判決と言わざるを得ない。
6 今後まさに全国に被害が拡大しようとしているこの時に、司法がその役割を投げ捨てる判決を下したことは、歴史に残る汚点として糾弾されるところである。
7 私たち首都圏建設アスベスト訴訟は、来る九月二十六日、東京地方裁判所において、判決を控えており、本日控訴した本訴訟とあわせ、必ずや本判決を克服する明快な原告勝訴判決が下されることを確信している。
私たちは、東京地裁判決で勝訴して、①建設アスベスト被害者補償基金の創設 ②労災制度の改善と石綿救済法の抜本改正 ③総合的アスベスト対策の推進を内容とする全面解決をすみやかに勝ち取るため全力でたたかい抜く決意である。
二〇一二年六月八日
首都圏建設アスベスト訴訟神奈川原告団・弁護団