お知らせ
安倍暴走ストップ!総選挙と二〇一五年選挙戦の勝利に向けた学習決起集会
【埼玉土建本部】
憲法・平和
戦争する国にNO
世論と運動が情勢を変える
十一月二十六日、埼玉県県民健康センターを会場に「安倍暴走ストップ!総選挙と二〇一五年選挙戦の勝利に向けた学習決起集会」が開催され、全支部から三百五十二人が参加しました。
斉藤委員長は「今回の衆院解散は、私たちのたたかいが追い込んだ結果。今度の選挙は歴史的な選挙になる。今日の集会を機に大奮闘していこう」とあいさつしました。
続いて、国際政治学者の畑田重夫氏が「私たちをめぐる情勢と総選挙及び来春の一斉地方選挙」と題した講演(詳細は下部)を行い、斉藤書記長の基調報告の後、八つの分科会に分かれました。最後に集会アピールを確認して終了しました。
畑田講演要旨
私は二十歳の時に、第二次世界大戦に参加させられました。ちょうど大学一年生でした。当時は、日本の兵隊が中国や東南アジアの国々で数多く戦死し、兵員が足りなくなりました。兵隊が死んじゃって足りなくなったら戦争できないから「学生も行け」と強制力の下で「学徒出陣」が行われ、私は二年間軍隊生活を強いられました。あの戦争が終わって七十年。日独伊のファッショ的・独裁的な国はすべて敗北に終わりました。
あの戦争が終わると、アメリカとソ連の二つの大国が「冷戦」を繰り広げました。そして、一九九一年にソ連が崩壊しました。ソ連が崩壊すると、アメリカの単独行動主義の時代がやってきます。九・一一のテロ事件を契機に、アフガン戦争・イラク戦争を始めます。アメリカは、戦後から今日まで、二百回をはるかに超える戦争をしているんです。アメリカは、産軍共同体(軍隊と軍需産業が一体となった体制)で、戦争をしなければ持たない国なんです。
私たちは、戦後日本国憲法の下で、すべてを出発させました。安倍首相は、この憲法に対する最も敵意をもった総理大臣なんです。
この世界に誇れる日本国憲法。憲法の原理と原則に基づいて、今日まで様々なことをやってきました。ところが、私たちがこの原理原則を貫こうとすると、それを妨げている最大の障害物が、安保条約を土台とする安保体制なんです。「世界に誇れる日本国憲法」「世界で異常な日米安保」が存在する国、こんな国はないですよ。
その安保体制の矛盾が、今や深刻になってきました。矛盾の限界点を超えたのが「沖縄」なんです。今回の県知事選挙におけるオール沖縄と世論の支持のもと大奮闘したオナガ候補が歴史的勝利を果たしました。この意義はものすごく大きいんです。今度の総選挙に大きな励ましになっています。沖縄知事選の歴史的勝利の意味するものを、私たちはしっかりと認識し、総選挙に臨みたいと思います。
戦後の日本は、何回選挙やっても、ずうっと自民党でした。これが二〇〇八年の選挙で民主党が政権を取りました。国民は大きな期待を寄せていましたが、公約を踏みにじる悪政・失政のために失望も大きかったんです。今度は二〇一二年の総選挙で自民党が圧勝したんです。そして、安倍政権が誕生しました。第一次安倍政権は短命に終わりましたが、彼のライフワーク(宿願)は憲法を変えることなんです。短命に終わった第一次政権の時に、国民投票法の強行と教育基本法の改定、防衛庁の「省」への格上げを、すでにやってしまっているんです。今回は、安倍カラー(タカ派色)を最初から出さないで、アベノミクスという金融と財政と経済政策の三本の矢と、安全運転(低姿勢)から始めたんです。そんな安倍首相ですが、昨年の参院選で衆参のねじれが解消されたことから、いよいよ本性を現し始めました。昨年末に秘密保護法を強行採決し、靖国神社の参拝も実施しました。秘密保護法の時には、弁護士や憲法学者、ジャーナリストなど多くの国民が反対しました。
憲法・消費税・社会保障・安保・原発・雇用、いずれの世論調査の結果を見ても、国民世論の過半数が政府の方針に反対しています。しかも、拉致問題を含めて、外交のあらゆる面で行き詰っています。皆さんのたたかいが追い詰めているんです。さらに、アベノミクスが成果を上げていると言いますが、富裕層と大株主は大儲けをする一方、労働者の賃金は十五カ月連続で下がり続けています。年明けには集団的自衛権の法制化問題もあり、良いことが何もないんです。だから、今解散した方が、自民党の議席減が少ないだろうと、この時期を選んだんです。ところが、共同通信の世論調査によると六十三%の国民が「理解できない」と回答しました。朝日新聞の世論調査でも、六十五%の国民が「納得できない」と言っています。今、私が一番心配しているのは、投票率の低下です。ぜひみなさん、「投票に行きましょう」と訴え、投票率を上げましょう。投票率が低いと、相対的に自民党と公明党が有利になるんです。国民の反発は理解できるんだけれども、投票行動に表れないと、彼らの思うつぼなんです。平和と民主主義と社会進歩のために、埼玉土建の皆さんが全力をあげて惜しみなくたたかう情勢に、今直面しています。
「正論が世論となり、世論と運動が情勢(歴史)を変える」と、私は繰り返し言っています。正論とは正しい理論と政策です。どんなに正しくても、自分が思っているだけでは意味がありません。アベノミクスの破たんは明瞭です。私たちは理論に確信を持っていいと思います。その中で理論を身につけるためには、学習が不可欠です。学習は情熱と実践の源泉なんです。本物の学習をしていただきたいと思っています。
多くの皆さんに、分かりやすい言葉で、自分の言葉で広範な仲間をはじめ、有権者に対して語りかけて広げていく努力をしていただきたいと思います。