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「送検事例」作業員3人が一酸化炭素中毒。会社と職長を送検。
【埼玉土建本部】
つぶやき(労働保険)
深さ約13mの立坑底部で溶接作業中、作業員3人が一酸化炭素中毒。健康障害を防止するため必要な措置を講じていなかったとして会社と職長を送検。
- 事案の概要
水道管内の水流量を計測する地下室の築造工事現場で、作業員3人が一酸化炭素中毒となる災害が発生しました。
被災したのは、この工事の二次下請で建設業を営むA社の作業員X(50)、Y(19)、職長Z(37)で、経験年数はXが約30年、Yが約2年、Zが約20年。深さ約13m、東西6m、南北6.5mの立坑の底部で、L形の形鋼アングルを立坑壁に溶接する作業を行わせるに当たり、同所は自然換気および強制換気が不十分なところであったのに、同所において、内燃機関を有する溶接機を使用させ、ガスによる健康障害を防止するため必要な措置を講じていなかったとして、A社と、A社の職長Zが安衛法22条第1号、安衛則578条違反の疑いで、書類送検されました。
- 法違反≪安衛法22条第1号、安衛則578条≫成立のポイント
- 1、事業者が
- 2、杭、井筒、潜函、タンク又は船倉の内部その他の場所で
- 3、自然換気が不十分なところにおいて
- 4、内燃機関を有する機械を使用するに当たり
- 5、内燃機関の排気ガスによる健康障害を防止するため当該場所を換気しないで
- 6、当該内燃機関を有する機械を使用させたこと
- 災害防止対策
本件の災害発生原因としては、まず、自然換気が不十分な立坑底部において内燃機関を有する溶接機で溶接作業を行わせたことが挙げられます。災害の防止対策としては、工事着手前に事前に立坑の形状、気積、自然換気の状態と排気ガスの量等各種条件を統合して一酸化炭素中毒を防止できる有効な換気装置を検討して、それを現場で、使用するということが必要だったと言えます。また、一酸化炭素は、無色。無臭なのでその危険性・有害性をしっかり教育していかないと作業員はそれを実感できないので、労働者の対する安全衛生教育を徹底して行うということが対策として挙げられます。
- 建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドライン
一酸化炭素中毒は、建設業で多く発生していることから、平成10年6月1日に、「建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドライン」(基発第329の1号)が策定されています。
その内容は、⑴労働衛生管理体制、⑵作業管理、⑶作業環境管理、⑷警報装置、⑸呼吸用保護具、⑹健康管理、⑺労働衛生教育ですので、ご確認ください。
2024.3 No.601 建設の安全 p17 参照