お知らせ
埼玉土建の歴史と活動㉒~運動領域の拡大、社会的運動の発展―「クボタ・ショック」で急浮上したアスベスト問題、「あやまれ、つぐなえ、なくせアスベスト」
【埼玉土建本部】
つぶやき
不定期で、埼玉土建の歴史と活動(ダイジェスト)を紹介していきます。
皆さんに埼玉土建の事をもっとよく知っていただけると嬉しいです。
【第22回】「クボタ・ショック」で急浮上したアスベスト問題
2005年(平成17)6月、大手機械メーカー・クボタ(兵庫・尼崎市)が、工場内と近隣で住民がアスベストで亡くなったと発表したことで、アスベスト問題が一気に社会問題となりました。
アスベスト被害は、製品を扱ってきた労働者だけでなく、家族や工場周辺の住民にも被害をおよぼし、公害・環境汚染問題としても発展しました。特にアスベストの9割が建設資材として使用され、これらを知らされないまま使い続けてきた建設労働者・職人は最大の被害者となりました。アスベスト問題は建設現場で働くすべての仲間の、重要な課題として取り組みをすすめました。
~チョット補足~ 05年8月から、石綿特別教育、石綿作業主任者講習に取り組みました。この石綿作業主任者講習をおこなえるのは、当時、全国で4組合だけでした。 また、組合の共済申請書等の見直し、国保組合はレセプトの再チェック、胸部レントゲンの再読影(18年度、3万2978枚)に取り組み、再検査が必要とみられる有所見者には2次受診を呼びかけ、本・支部、国保一体となった取り組みをすすめました。「石綿健康管理手帳」の取得、そして労災認定を求めたたかいを強化しました。アスベスト学習会、ビデオ「静かなる時限爆弾」の視聴を分会の取り組みとしてすすめました。 05年8月からは、地域の安全対策と国の対策を求め、地方議会の請願運動に取り組み、県と61議会(全国150議会)で採択されました。 |
「あやまれ、つぐなえ、なくせアスベスト」
2008年(平成20)5月、石綿被害をうけた首都圏の建設労働者とその遺族211人が、国と関連企業46社に、謝罪と賠償とすべての被害者の全面救済の施策を求め、「首都圏建設アスベスト訴訟」を、東京と横浜の地方裁判所に起こしました。
提訴にむけ、07年7月、組合は中央執行委員会で全面的な支援体制を確認し、12月に「原告団」(22人)を結成、08年3月に東京・千葉・神奈川の仲間たちと「統一原告団」(6組合211人)と、たたかいをすすめる「推進統一本部」を結成し、被害者みずから声をあげ、組合・弁護団とともに裁判をたたかう体制をつくりあげました。
建設業に従事するアスベスト被害者が、国と製造企業に訴訟を起こすのは、全国ではじめてです。この訴訟は、国の不作為を正面から問い、関連企業とともに謝罪と賠償をさせ、被害者と遺族のくらしを守るたたかいです。あわせて国のアスベスト対策を抜本的に改めさせ、アスベスト被害の根絶、すべての被害者の全面救済にむけた施策を実施させることに、その目的と意義があります。
~チョット補足~ 原告団への支援、法廷でのたたかいとともに、国・関連企業への要請・包囲行動、政党と議員への要請、広く社会に訴える街頭での宣伝、200万署名行動、募金活動、集会に取り組んできました。 首都圏建設アスベスト訴訟は、2010年4月に第2次訴訟、11年に北海道、京都、大阪、九州で提訴され、全国でたたかわれるようになり、11月にアスベスト訴訟全国連絡会が結成されました。 |